会計事務所の労働分配率
当事務所も賞与の金額を決定しました。
前回、年間給与を踏まえて、当事務所の賞与の考えを伝えましたが、
今回は世間の会計事務所の労働分配率についてお伝えしたいと思います。
会計事務所には大きく2種類あります。
・個人事務所
・税理士法人
まず、上記のうち、税理士法人の労働分配率には、所長やその他の役員の分も入っている為、
ネットとかででてくる数字は参考にしないほうがいいと思います。
個人事務所より、当然、税理士法人の労働分配率のほうが数字上高くなるからです。
(個人事務所では所長の給料は人件費にならない為)
ちなみに、税理士法人では、所長の取り分を多くすると、社員にあまり還元していなくても
表面上の労働分配率は高くなります(笑)。
ということで、個人事務所の労働分配率でお話したいと思います。
一般的には、社員1/3、経費1/3、所長1/3 となります。
上記をみると社員の立場からは少ないな~と思う方もいるかもしれません。
しかし、私が所長だから、所長を弁護するわけではないですが
・人を雇用していると現実問題、上記の通り経費もかなりかかる。
(家賃、広告費、システム代、複写機・コピー機・パソコン等の備品代、消耗品、郵送料、通信費、交際費、外部への顧問料、書籍代、税理士賠償保険料、税理士会会費 など)
・職員のミスで、損害賠償を受けた際に対外的に所長に責任がある(賠償することになる)点
・・・日本の一般中小企業では滅多にないですが、会計事務所ですとまれに発生する事例が見られる。
・一般の個人事務所だとお客様の開拓や営業の大部分は所長がして、成果を出している
ことなどがあげられます。
ですので、所長が何にもやらず、営業も職員がしていて、職員が賠償責任も負う。
ということでしたら、上記の比率はおかしいでしょう。
ただ、上記はベースですので、事務所によっては多少違う比率としているところもあると思います。
ちなみに、入所まだ間もない職員の人件費率はかなり高くなります。
というのもまだその事務所での業務に慣れていないことや新人だと単に経験不足などから、
そこまで稼げないので、事務所が先行投資(所長が自分の取り分を減らして)という状況です。
求職で会計事務所を選ぶ際ですが、一般より労働分配率が高い、低い などある場合には、
その理由をきちんと納得するまで押えることをお勧めします。
・一般より高い場合
一見良さそうですが、責任・ノルマが重い、表面上で所長の奥さんの給与も入った労働分配率になっている、
税理士事務所以外の仕事なども結構ある などもあります。
・一般より低い場合
一見悪そうですが、マニュアルなどきちんと整備されており業務を多くこなすことができる、通常の事務所より経費が大幅にかかっている、売上単価が単純に他に比べて高いのでそれでも給与としては良い
などの場合もあります。
いずれにせよ、その事務所が明確な労働分配率を決めているのか?
をまず押さえていただいては如何でしょうか?
優秀な人材確保する為、当事務所では来年以降工夫して、
随時、給与を上げていって、最終的に人件費率を現在より5%上昇できたらと考えてます。