M&Aの支援と税理士

今年は表題のM&Aに関して勉強する機会を意図的に作ってます。

今日は税理士事務所がM&Aのサポートをするにあたっての記事を書きます。

 

M&Aというと、なんだか難しそうだな~ と感じる人も多いかと思います。

実際たしかにそうです(笑)。

 

まず、考えるべき範囲が広い。

税金も重要ですが一部で、他の法務、労務、財務、許認可 などなど係わります。

その分、仕事としてやりがいもあるかと思いますが(笑)

 

当然、M&Aについて税理士で全ての業務を行なうのは実際上は基本難しいので、

他の専門家と連携したり、あるいは会社の方が主導で調整を行なったり、弁護士主導になったり などとなります。

(一般的な中小企業では、会社が主導は基本難しいだろうと思います。)

 

M&Aにあたっては手法はいくつかありますが、

重要なのは、「その目的」

当然といえば当然ですが、おそらく多くの税理士は見落としがちになろうかと思います。

 

M&A関連の話があったら、会社(株式)譲渡、事業譲渡、合併、分割 などなどの

具体的な手法のスケジュールや税務上の扱い等に 税理士は目がいきがち です。

手法も重要ですが、具体的な手法の検討に没頭すると、

 

・それで本当に会社の目的を達成または助けになるのか?

・そもそも全く別の方法 の方が会社の目的から考えて望ましくないか?

という最も重要な観点からずれる可能性があります。

 

 

ところで、M&Aでは、非常にリスクがあることも多々あります。

たまに安易に会社を購入するのも見られますが、そこには様々なリスクも背負い込む

ということをほとんど認識していないので、そこは認識していただきたいです。

 

そのために、調査(デューデリジェンス)も行なうわけですが、

全てのリスクを調べ上げるのは事実不可能です(とくに潜在リスク)。

 

その場合、「表明及び保証」という項目を契約書に折込み、

将来にリスクが顕在化したときに、売り主等に保証をしてもらうわけですが、

中小事業主が売主だった場合、将来の時点で、

・売主に連絡が取れない

・売主に保証能力がない(無い袖は触れない)

ということも多々ある為、契約書に折り込んでもリスクヘッジは事実上できないこともあります。

 

M&Aでは、

・契約書

・調査(デューデリジェンス)

が肝になるわけですが、他に事前に「合意書」を作成したり、何度も面談や調整も必要となります。

調査(デューデリジェンス)も法務、労務、税務、財務 等など様々な角度や専門家が必要となります。

 

非常に煩雑ですよね(笑)

 

リスクは、未払残業代リスク、簿外債務リスク、過去事業年度項目の将来の税務調査否認リスク、

社員統合がうまくいかないリスク、紛争事案のリスク、法務コンプライアンス上のリスク、

過去の株式異動の適法性のリスク、事業のリスク(想定より事業がうまくいかない) などなど 様々です。

 

 

 

小規模会社の譲渡案件であれば、株式譲渡などより、

通常は項目を切り出して、事業譲渡 のほうが良いケースが多いようです。

そのほうが上記の様々なリスクを低減できます。

 

なお、合併は包括承継なので、吸収される会社のリスクは存続する会社に引き継がれますので、

株式譲渡などと類似したリスクがあります。

 

税理士がサポートできる仕事というのは本当に幅広いと改めて感じます。

世の中の大半のことにお金がからむので当然といえば当然かもしれません。

 

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